2017年9月2日(千葉公演)5日(東京公演)の2回に渡って、4回目となる魅惑の室内楽シリーズ公演を開催しました。
今回のメインは木下牧子さんが作曲された「蜘蛛の糸」(ソプラノ(朗読)、クラリネット、ピアノのための音楽劇)でした。芥川龍之介の小説をまるごと音楽にしたこの作品、初めて聴いた時からその幻想的な世界観、美しさに魅了され、ぜひいつか私も演奏したいと思っていた曲でした。
その時すでに、私の頭の中には、もし一緒に演奏するならこの方たちと!!と思い描いていたソプラノの針生美智子さん、クラリネットの人見剛さんに恐る恐る共演のお願いをしたところ、ご快諾くださり、更に、未出版だったこの作品を演奏できるように、友人でこの作品の委嘱者でもあるピアニストの榊原紀保子さんが作曲家木下牧子さんご本人にご紹介くださり、譜面を作曲者から直接頂きこの公演が実現しました。
メイン以外にも木下牧子さんのシンプルだけれどとても奥深い歌曲、シューマンの名作「アダージョとアレグロ」、シューベルトの「岩の上の羊飼い」を演奏しました。
どの作品もそれぞれの曲に対する想いを語り合いながら、音に乗せて伝えながら繰り返したリハーサルでは回数を重ねるごとに曲への理解が深まり、曲への愛着が増していきました。
特に、蜘蛛の糸、の独特の世界観を出すためにそれぞれが迷い、アイデアを出し、音の選び方、間の取り方、呼吸を合わせる・・・・様々な工夫を重ね本番まで練習を重ねました。木下牧子さんご本人がご来場下さった東京公演ではそれらの結晶として、最高潮の集中力と適度の緊張感の中、今自分たちができる最高の演奏ができたのでは。。。と思っています。
終演後お話を伺うことができた木下さんにもご来場下さったお客様にも大変好評でホッとしました。
針生さんと人見さんお二人の素晴らしい奏者との共演までのリハーサル、本番のステージで共有できた様々な素敵な瞬間は私の宝物です。
千葉、東京公演ともたくさんの方にご来場いただき、また多くの方にお力添え頂きました。特に、東京公演では5日前から満席となり、当日は会場びっちりのお客様となり、少々窮屈な客席となってしまいましたこと、お詫び致します。
また、聴きたい!今回満席で入場できなかったのでぜひまた演奏して欲しいという嬉しいお声も頂いております。私たちもいつか機会があれば更に進化した蜘蛛の糸を演奏したい。。。と思っております。
いつの日か再演できますように♪
支えてくださったすべての皆様に感謝致します。
また、演奏をお聴き頂けるよう、更に精進してまいりたいと思います。