水中豊太郎(みずなか あつたろう)
フランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団、首席チューバ奏者。日仏現代音楽協会会員。2008年、名手メル・カルバートソン氏(故人)の後継者として同オーケストラに入団。ドイツ、イタリア、スイス、スペインなど欧州全土に渡って演奏活動を展開し、これまでにリヨン国立オペラ座管弦楽団、モンテカルロ管弦楽団、 SWR 南西ドイツ放送交響楽団などの名門オーケストラと共演、多くの音楽祭やテレビ収録、録音企画にも参加している。この他、ボルドー・オペラ座金管5重奏団、ボルドー・ブラス・アンサンブルの各メンバー。室内楽、ソロ・リサイタル、即興舞台演奏など幅広い分野で活動している。また、作曲や指揮活動の一環として、ドナウエッシンゲン現代音楽祭やヴェネツィア国際現代音楽祭などにも参加し、新しい手法の現代音楽製作や発表にも積極的に関わっている。教育分野では、現在ボルドー高等音楽教育機関 (PESMD)の教授を務める傍ら、欧州各地でマスタークラスを開催。コンクールやコンセルバトワールの修了試験などでは定期的に審査員を務めている。日本でも東京、大阪での公開講座や、福岡でのオーケストラ講座、広島での吹奏楽セミナーなどに招聘されている。1970年(昭和45年)、山口県岩国市生まれ。山口県立岩陽高校(現:岩国総合高校)卒。1989年から1991年まで海上自衛隊呉音楽隊、1991年から2001年まで陸上自衛隊第13音楽隊のチューバ奏者を歴任。2001年に自衛隊を退職と同時に渡仏。リヨン国立高等音楽院にてメル・カルバートソン、アルノー・ブキティン両氏の下で学び2004年に卒業ディプロムを取得。翌2005年度に フランス音楽芸術著作権管理協会「 ADAMI 」より奨学金を得て、同音楽院の現代音楽クラス「アトリエ・ヴァンティエム・シエクル」にて現代音楽奏法の技術研究にあたる。2007年にはフランス国立リヨン・リュミエール第2大学の博士課程 MAAAV にて芸術映像音楽における作曲技法を研究する傍ら、演劇音楽集団オデッセー・アンサンブル&カンパニーと共にフランス全土の巡回ツアーに参加した。その他、カンパニー・アキエラなどの芸術舞踏集団との創作活動を行い、年間約 120 公演に及ぶ最新の映像・音響技術を駆使した新進の舞台芸術制作に携わってきた。入賞歴としてこれまでに1998年第15回日本管打楽器コンクール(第 4 位)、2000年第35回マルクノイキルヒェン国際器楽コンクール(ディプロマ賞)、2004年ITEC国際チューバ・ユーフォニウム・コンクール(第3位)ほか。また自衛隊時代は音楽隊専属の作曲家としても活動し、多数の作編曲や演奏実績を認められ防衛庁(現在の防衛省)より第 3 級賞詞を受賞している。1993年から2000年までの毎年、広島でチャリティー・リサイタルを自主公演し、震災孤児の為の募金活動を行う。2012年、パリでの東日本大震災復興支援コンサート「ジャポネイド・オーケストラ」に参加し、その一部がテレビ番組「題名のない音楽会 ユネスコ 3.11 佐渡裕コンサート」において紹介され話題を呼んだ。